2008年5月30日金曜日

牧兼充の博士研究のための参考文献リスト
ver. 2008053001
 

 このリストは、牧兼充の博士研究を進めるために必要となる参考文献のリストです。現在便宜上の分類をしてありますが、未完成です。今後随時追加・整理していく予定です。なお、参考文献の記述法は、日本ベンチャー学会の学会誌の基準に従う。


研究の方法論


  • ロバート・K. イン (1996) 『ケース・スタディの方法』、千倉書房

  • 吉川弘之、内藤耕 (2003) 『第二種基礎研究』、日経BP
  • 吉川弘之、内藤耕 (2005) 『「産業科学技術」の哲学』、東京大学出版会
  • 高根正昭 (1979) 『創造の方法学』、講談社


ネットワーク理論

  • 安田雪 (2004) 『人脈作りの科学 - 「人と人との関係」に隠された力を探る』、日本経済新聞社
  • Granovetter, Mark. (1973) "The Strength of Weak Ties",American Journal of Sociology 78(6)pp.1360-1380.pp.15-32
  • アルバート・ラズロ・バラバシ (2002) 『新ネットワーク思考 - 世界のしくみを読み解く』、NHK出版
  • ロナルド・S. バート (2006) 『競争の社会的構造―構造的空隙の理論』、新曜社
  • 金井壽宏 (1994) 『企業者ネットワーキングの世界-MIT とボストン近辺の企業者コミュニティの探求』、白桃書房
  • ピーターブラウ(1996)『交換と権力』新曜社


プラットフォーム論

  • 國領二郎 (1999) 『オープン・アーキテクチャ戦略-ネットワーク時代の協働モデル』、ダイヤモンド社


信頼

  • 山岸俊男 (1999) 『安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方』、中央公論新社
  • 山岸俊男 (1998) 『信頼の構造―こころと社会の進化ゲーム』、東京大学出版会


イノベーション論

  • 國領二郎 (2006) 『創発する社会―慶應SFC~DNP創発プロジェクトからのメッセージ』、日経BP企画


ベンチャー企業論

  • 榊原清則 (2000) IPO 企業とそうでない企業と」 POLICYSTUDY NO. 6
  • 経済産業省(2007)『平成18 年度 大学発ベンチャーに関する基礎調査 実施報告書』
  • TimmonsJeffry A.(1994New Venture Creation : Entrepreneurship for the 21st CenturyBurr RidgeIrwin(千本倖生・金井信次訳『ベンチャー創造の理論と戦略:起業機会探索から資金調達までの実践的方法論』ダイヤモンド社、1997
  • Timmons Jeffry A., Spinelli, Stephen (2004) New VentureCreation, McGrawHill


インキュベーション論

  • 牧兼充 (2006) 『ビジネスプランコンテストをプラットフォームとしたインキュベーション手法に関する考察―SIV アントレプレナー・ラボラトリーにおけるコンテスト運営に基づいて―」、日本ベンチャー学会、「ベンチャーズレビュー」No.8


ネットワーク分析

  • 金光淳 (2003) 『社会ネットワーク分析の基礎―社会的関係資本論にむけて』、勁草書房
  • 安田雪 (1997) 『ネットワーク分析―何が行為を決定するか』、新曜社
  • 安田雪 (2001) 『実践ネットワーク分析―関係を解く理論と技法』、新曜社


クラスター論

  • アナリー・サクセニアン (1995) 『現代の二都物語 -なぜシリコンバレーは復活し、ボストン・ルート128 は沈んだか』講談社
  • マイケル・E・ポーター (1999) 「クラスターが生むグローバル時代の競争優位 イノベーション創出のメカニズムを学ぶ」 Harvard Business Review


社会関係資本

  • 金子郁容 (2002) 『新版コミュニティ・ソリューション-ボランタリーな問題解決へ向けて』、岩波書店
  • 宮田加久子 (2005) 『きずなをつなぐメディア―ネット時代の社会関係資本』、NTT出版
  • 佐々木裕一、北山聡 (2000) Linux はいかにしてビジネスになったか-コミュニティ・アライアンス戦略』、NTT 出版


2008年4月24日木曜日

やることたくさん

今日やったこと
  • 共同研究のプロポーザル作成のため、あるSNSをひたすら使いまくって機能を確認する
  • 共同研究のためのリサーチデザインのプロポーザル作成 (結構頭使って考えた)
  • メンター三田会のデータ集めのための活動レビューWGのプロポーザル作成
  • 森基金、大学院高度化のプロポーザルを完成させた

2008年4月23日水曜日

プロポーザル書き

研究費獲得へ向けて、森基金と大学院高度化のプロポーザルを書き、國領先生に見ていただきました。

2008年4月22日火曜日

自宅の片づけ

博士専念にあたって実家に引きこもります。湘南台の自宅を引き払うことにしました。引っ越しのために自宅の掃除と梱包作業をしましたが、あまりにも汚くて時間がかかりすぎて、今日は博士の研究は進みませんでした。ちなみに今日は飲んでいません。

2008年4月21日月曜日

先行研究の整理

先行研究で今まで読んでいた文献の読み返しをしています。

2008年4月20日日曜日

研究プロポーザルの作成

ひたすら研究プロポーザルの作成です。

2008年4月19日土曜日

先行研究の整理+研究プロポーザルの作成

今日はひたすら先行研究の整理と國領先生に見せるための研究プロポーザルの作成をしました。

2008年4月18日金曜日

米国ビジネス系SNSとの共同研究

米国ビジネス系のSNSの解析の共同研究に参加させていただくことになりました。同窓会ネットワークの特性の分析を、SNSのデータを活用しながらやれないかと思っています。本日はその研究プロポーザルの作成と打ち合わせをしました。

自分の論文を投稿する学会の調査中です。以下の学会が候補です。

2008年4月17日木曜日

学会論文読みまくり

日本ベンチャー学会の論文を読みまくっています。査読に通る論文がどのようなものなのか、ということが段々分かってきたような気がします。「論文」と「事例論文」の差も大きいですね。ざっくりいうと、定量調査が行われているものが「論文」と呼ばれ、ケース分析等が行われているものが「事例論文」と呼ばれている感じです。

2008年4月16日水曜日

先行研究の論文を読む

今日は、日本ベンチャー学会と情報社会学会の学会誌の論文をどんどん読み漁っています。査読に通る論文とはどのようなものかを考えつついます。サクセニアンの"New Argonauts"の日本語版「最新・経済地理学」を読み始めています。

2008年4月15日火曜日

延々引っ越し

湘南台の自宅を今月に引き払うことになっていて、そのための自宅の片づけに追われました。一歩一歩、日本ベンチャー学会の論文誌を読んでいます。

2008年4月13日日曜日

結構研究に没頭できた

おかげ様で実家の研究をするためのデスクもずいぶん体制が整ってきました。今日は夕方から夜にかけて、研究関連のもろもろをずいぶん進めることができました。

本日やったこと。
  • 博士研究全体のプロポーザルのPPTを作成
  • 「大学メンター制度」のアンケートの分析
  • 「励ます会ネットワーク分析」の調査票をupdate。

明日は、熊坂先生と飯盛先生それぞれとの研究打ち合わせのアポイントがあります。明日もがんばろう。

今日は飲みませんでした。

博士研究: 参考文献リスト v2008040801

博士研究: 参考文献リスト v2008040801

1. ロバート・K. イン (1996) 『ケース・スタディの方法』、千倉書房
2. 金光淳 (2003) 『社会ネットワーク分析の基礎―社会的関係資本論にむけて』、勁草書房
3. 金井壽宏 (1994) 『企業者ネットワーキングの世界-MIT とボストン近辺の企業者コミュニティの探求』、白桃書房
4. 金子郁容 (2002) 『新版コミュニティ・ソリューション-ボランタリーな問題解決へ向けて』、岩波書店
5. 経済産業省(2007)『平成18 年度 大学発ベンチャーに関する基礎調査 実施報告書』
6. 國領二郎 (1999) 『オープン・アーキテクチャ戦略-ネットワーク時代の協働モデル』、ダイヤモンド社
7. 國領二郎 (2006) 『創発する社会―慶應SFC~DNP創発プロジェクトからのメッセージ』、日経BP企画
8. 榊原清則 (2000) 「IPO 企業とそうでない企業と」 POLICYSTUDY NO. 6
9. アナリー・サクセニアン (1995)、『現代の二都物語 -なぜシリコンバレーは復活し、ボストン・ルート128 は沈んだか』講談社
10. 佐々木裕一、北山聡 (2000) 『Linux はいかにしてビジネスになったか-コミュニティ・アライアンス戦略』、NTT 出版
11. 高根正昭 (1979) 『創造の方法学』、講談社
12. アルバート・ラズロ・バラバシ (2002) 『新ネットワーク思考 - 世界のしくみを読み解く』、NHK出版
13. ロナルド・S. バート (2006) 『競争の社会的構造―構造的空隙の理論』、新曜社
14. ピーターブラウ(1996)『交換と権力』新曜社
15. マイケル・E・ポーター (1999) 「クラスターが生むグローバル時代の競争優位 イノベーション創出のメカニズムを学ぶ」 Harvard Business Review
16. 牧兼充 (2006) 『ビジネスプランコンテストをプラットフォームとしたインキュベーション手法に関する考察―SIV アントレプレナー・ラボラトリーにおけるコンテスト運営に基づいて―」、日本ベンチャー学会、「ベンチャーズレビュー」No.8
17. 宮田加久子 (2005) 『きずなをつなぐメディア―ネット時代の社会関係資本』、NTT出版
18. 山岸俊男 (1999) 『安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方』、中央公論新社
19. 山岸俊男 (1998) 『信頼の構造―こころと社会の進化ゲーム』、東京大学出版会
20. 安田雪 (1997) 『ネットワーク分析―何が行為を決定するか』、新曜社
21. 安田雪 (2001) 『実践ネットワーク分析―関係を解く理論と技法』、新曜社
22. 安田雪 (2004) 『人脈作りの科学 - 「人と人との関係」に隠された力を探る』、日本経済新聞社
23. 吉川弘之、内藤耕 (2003) 『第二種基礎研究』、日経BP社
24. 吉川弘之、内藤耕 (2005) 『「産業科学技術」の哲学』、東京大学出版会
25. Granovetter, Mark. (1973) "The Strength of Weak Ties",American Journal of Sociology 78(6)pp.1360-1380.pp.15-324
26. Timmons,Jeffry A.(1994)New Venture Creation : Entrepreneurship for the 21st Century,Burr Ridge:Irwin(千本倖生・金井信次訳『ベンチャー創造の理論と戦略:起業機会探索から資金調達までの実践的方法論』ダイヤモンド社、1997)
27. Timmons Jeffry A., Spinelli, Stephen (2004) New VentureCreation, McGrawHill

金井壽宏、『企業者ネットワーキングの世界―MITとボストン近辺の企業者コミュニティの探求』、白桃書房、1994年.

金井壽宏、『企業者ネットワーキングの世界―MITとボストン近辺の企業者コミュニティの探求』、白桃書房、1994年.
【要約】
本書は、企業者のネットワーキング活動という実践的な課題に関するアカデミックな研究である。MITエンタープライズ・フォーラムとSBANEエグゼクティブ・ダイアローグ・プログラムについて理論化のための記述を行い、ネットワーキング組織には、フォーラム型とダイアローグ型という理念的構成概念を提示した。
この概念の違いを生む属性としては、(1)参入の条件(オープン・メンバーシップもしくは会員資格の欠如に対して限定的あるいは閉鎖的メンバーシップ)、(2)運営基盤と手続き、(3)連結あるいはつながり方の基盤、(4)便益のタイプ の4点が異なる。運営基盤の手続きとしては、高回転率と低回転率、低コミットメントと高コミットメント、散発的・非定期的な参加と恒常的・定期的な参加、連鎖効果を通じて広がる間接的相互接触の活用とフェース・ツー・フェースの直接的接触の重視などがある。連結基盤としては、弱連結と強連結、多様性・非連続性と共通基盤と連続性、ルース・カップリングとタイト・カップリングなどである。便益のタイプとしては、用具的と表出的がある。なお、この理念体系を示したものの現実的に完全に分離することは不可能であり、それぞれの事例についても相互に特性が混ざり合っている。
 本書の構成と研究の方法論を以下に示す。
第2章では、この研究テーマにかかわる既存研究を再検討して、研究面での課題を探る。具体的には、企業者論、社会的ネットワーク論、交換理論、資源動員論、組織間関係論などを論じる。これらの先行研究レビューにより、ネットワーキングに関する微妙なパラドックスが明らかになり、これをレインボーパラドクスとしてまとめた。第3章では、リサーチ・クエスチョン及びその研究の方法論について論じる。複数の方法を併用するmethodological triangulation、の方法論、エスノグラフィックの方法論、理論的なサンプリングによる「現場発の理論」について述べる。
第4章、第5章では、2つのネットワーク組織のエスノグラフィーによる定性的記述を行う。それぞれの会の参加者自らのものの見方の記述を目的としており、現地人の視点に忠実なケース記述になるように配慮した。また比較ケース分析を通じて解明される理論的問題やパラドクスの解釈がケースの記述に混入しないように配慮した。
第6章では、前2章の記述の理論的会社を試み、第4章の内容をフォーラム型、第5章をダイアローグ型と定義した。それぞれのケースが示唆する理念について、理論的属性や次元について究明した。この章はネットワーキング組織のデザインのためのヒントが多数含まれている。第7章では、質問表調査によって二つの組織体から収集した、大規模で体系的なデータに基づいて、第6章で提示した理論的な類型論の現実妥当性を確認した。
第8章では、本書について、第二章で示したいくつかの理論的なパラドクスと照らしあわせて、実証研究からなにがわかるのか、なにが依然としてわかっていないのかの議論を行った。

【コメント】
 本書は、私の博士論文の研究を行うにあたって、先行研究、仮説やリサーチ・クエスチョンの導出方法、エスノグラフィックに基づいたケースの記述、質問紙調査、理論の抽出のそれぞれが、研究の方法論として参考になる。フォーラム型とダイアローグ型という分類方法は、私の目指すインキュベーションネットワークにおける同窓会の特性の分類のための示唆が多数含まれる。 (牧 兼充)

【議論の論点】

1. 同窓会ネットワークは、フォーラム型かダイアローグ型か。
2. どのような同窓会イベントは、フォーラム型であり、ダイアローグ型であるのか。
3. この研究から同窓会のネットワーク分析の特性に役立つことは何か。
4. この調査表で、慶應義塾の卒業生に質問したい項目は何か。

黄順姫、「同窓会の社会学 -学校的身体文化・信頼・ネットワーク-」

黄順姫、「同窓会の社会学 -学校的身体文化・信頼・ネットワーク-」


本書は同窓会を対象とした教育学的・社会学的研究である。同窓会に焦点をあわせて、そこから学校教育の意味をより本質的にとらえることを試みた。同時に、同窓生になることは、その後の人生の人間関係の在り方にどのような影響を及ぼすのかを、テーマにしている。福岡県立修猷館高等学校をケース・スタディとして、ヒアリング調査、定量調査、ネットワーク分析等を行うことにより、同窓会の特性を分析している。
本書における研究としての貢献は大きく2つに分類される。
第一点は、同窓会の相互作用のメカニズムの解明である。本書は、同窓会の研究において再帰的社会学の研究方法を取り入れている。なかでもP・ブルデューの理論に負うところが大きい。同窓生どうしの相互作用による過去の学校教育への再帰的社会化に注目したのである。従来の研究では、現在進行形の相互作用を通した社会化の過程を対象に社会化を行う「過去への社会化」に焦点をあわせた。さらに、過去の学校的記憶は、現在の観点からつくりなおされるものであるため、彼らは常に再構築された過去の学校的実践と表象へ回帰する。そして元教師、先輩・後輩、同期生との相互作用を通して、学校的アイデンティティを維持し、学校的実践の正統化をはかるのである。
第二点は、同窓会をネットワークとして捉えた場合の、特性の分析である。本書は、欧米からの輸入学問としての社会学理論を日本社会の研究に取り入れることを通して、単なる欧米社会学の消費にとどまることなく、日本社会の特徴を浮き彫りにし、説明できる自生的な社会学タームをみつけようとした。たとえば、欧米でつくられたネットワーク閉鎖論と構造的隙間論を、日本の同窓会ネットワークに取り入れて分析をした。西欧のネットワーク論が基本的に個人を単位にしているため、どの理論を使用しても日本の同窓会を十分に説明することができない。日本の同窓会には、日本的集団主義と個人主義が混在し、同窓会ネットワーク自体が、閉鎖性と隙間性のスイッチを切り替えることを通して、ネットワークの形態を流動的に変形する。
すなわち、ネットワーク閉鎖論か構造的隙間論かではなく、「閉鎖・隙間性の転換論」でとらえることで、現実のリアリティをつかむことが容易となる。同窓生個人は、そのネットワークを動員し、選挙運動をする場合は、ネットワーク閉鎖論のいう閉鎖性を全面に押し出し、立候補した同窓生を勝たせるために必死で応援する。しかしながら、彼らは、NGO、ボランティア、趣味のクラブ活動などを行う場合には、自らがネットワークの結節点になり、構造的隙間論でいう媒介者として、同窓会の枠を超えて次々と新たなネットワークと連結し、拡大していく。彼らは同窓会ネットワークのなかで必要な場面に応じて、ネットワークの組織、心性構造を切り替えていくのである。


【論点】

  • メンター三田会の相互作用を活性化する装置としてどのようなものがあるのか。
  • 慶應義塾の卒業生同士の相互作用を活性化する装置としてどのようなものがあるのか。
  • 本書の研究の手法の中で、博士論文に活用できそうなものは何があるのか。
  • この研究の知見は、インキュベーションにおける同窓会ネットワークのデザインにどのように役立つのか。
  • 大学発ベンチャー支援において、同窓会ネットワークはどのような特性を持つのか。
  • 「個人的活用」「社会的影響」「解放」「閉鎖」について、大学発ベンチャー支援の個別項目はどのように分類されるか。もしくはこのマトリックスの新しい指標は何か。
  • メンター三田会は、どのようなメカニズムで社会関係資本が蓄積されているのか。

バート VS コールマン 議論の論点

論点


1. 結局、ふたつの論文は分析であり、どのようにデザインするか、という部分がない。どうすればデザインできるのか。
2. 同窓会ネットワークは、「ネットワーク閉鎖論」と「構造的隙間論」においてそれぞれどのように説明できるか。どのような場合にどちらの特性を持つか。
3. 同窓会ネットワークの規模性(全学か学部ごとなど)により、上記の特性が変わってくるのではないか。
4. ネットワーク閉鎖性と構造的隙間論の性質が変わる、サイズのボーダーはどのあたりか。
5. SIVSGは、どちらの特性が強いか。どうデザインすると良いのか。
6. SIVSGの合宿は、どちらだったか。どうデザインすると良いのか。
7. メンター三田会は、どちらの特性が強いか。どうデザインすると良いのか。
8. SIV Forumは、どちらの特性が強いか。どうデザインすると良いのか。
9. SIVにおけるGod Father は誰?
10. Open Innovationネットワークは、両方の性質がある。
11. ベンチャー支援にあたっても、「販路開拓」、「人材獲得」、「資金調達」によって、必要なネットワークの特性が異なるはず。それ以外に支援項目の分類として何があるか。
12. 同窓会によってもその規範が違うはず。どのような規範を作るとどのようなネットワークが生まれるのか。
13. 地域ネットワークと同窓会ネットワークの違いをどのように説明するか。
14. 東京21cクラブのモデルは、どう説明するか。何が優れたモデルか。

ロナルド・S・バート 「社会関係資本をもたらすのは構造的隙間かネットワーク閉鎖性か」

ロナルド・S・バート 「社会関係資本をもたらすのは構造的隙間かネットワーク閉鎖性か」

社会関係資本を創り出すと論じられるメカニズムには、「ネットワーク閉鎖論」と「構造的隙間論」がある。ネットワーク閉鎖論の主張によれば、社会関係資本には、相互に強く結合した要素間のネットワークから創出される。構造的隙間論は、分離している部分間を唯一自分だけが仲介し、結合できるようなネットワークによって社会関係資本が創出される。

構造的隙間論は、グラノヴェターの弱い紐帯の強さ、フリーマンの媒介中心性、クックとエマーソンの排他的交換がもたらす利益、バートの複雑なネットワークにより創出される構造的自律性などのネットワーク諸概念に依拠しており、社会関係資本を、仲介者になる機会の機能としてとらえる考え方である。
構造的隙間は、冗長ではない複数の情報源の間を分断するかたちで存在しており、こうした複数の情報源は互いに重複していないので、それぞれ別の情報をもたらす可能性が高い。構造的隙間に富んだ接触相手のネットワークをもった人というのは、高い報酬を得られる機会をよく知っており、それに手が届きやすく、それをコントロールできる人である。起業の機会となる構造的隙間をたくさん含んだネットワークこそが起業家的ネットワークであり、起業家とは、構造的隙間に個人間ブリッジを架けることに長けた人々であると言える。
五つの異なる経営管理者たちを調査対象サンプルとした研究の結果に基づき、構造的隙間論の有効性を「業績評価」、「昇進」、「給与報酬」等の観点から論証している。
一方で、集団内に存在する個人間あるいは組織間の構造的隙間は、集団内のコミュニケーションや協力関係を低減し、そのような集団は外部の接触相手との関係をうまく仲介して利益を上げる能力を低下させてしまう。閉鎖性が増せば、チーム内における構造的隙間が消え去り、コミュニケーションを円滑にし、チームの協調性を高める。
ネットワーク閉鎖論と構造的隙間論の矛盾は、より一般的な社会関係資本のネットワーク・モデルのなかで解消可能である。構造的な隙間間を橋渡しして仲介することが付加価値を生み出す一方、閉鎖性も構造的隙間のなかに埋蔵されている価値を実現するために重要な役割を担う。

ジェームズ・S・コールマン 「人的資本の形成における社会関係資本」

ジェームズ・S・コールマン 「人的資本の形成における社会関係資本」


社会関係資本には、「ダイヤモンド卸市場」、「学生活動家の活動基盤」、「住む場所による子どもたちの安全性」、「市場における異種承認間の連携」など多数の性質の異なる事例がある。それぞれの性質の違いは、社会関係資本には、「恩義と期待」、「情報チャネル」、「社会規範」の3つの形態があることから説明ができる。
「恩義と期待」とは、AがBのために何かを行い、Aは将来Bがそれに報いてくれると信頼しているとした場合、これによりAには期待が生まれ、Bには恩義が生まれる、というメカニズムである。このメカニズムは、恩義がいずれ報われるという社会的環境の信頼性と、追っている恩義の大きさを測る手法に依存している。
情報は行為をもたらす基盤となる点で重要であるが獲得コストがかかる。情報を獲得する手段の一つは、別の目的のために維持されている社会関係を利用することである。このメカニズムは、恩義と期待を発生させるが、提供する情報自体においてその関係には価値があるものであり、これを「情報チャネル」と呼ぶ。
効果的な規範が存在する場合、それは、強力で、しかしときに脆弱な形態の社会関係資本となる。集合体内における司令的な規範は、社会関係資本の非常に重要な形態であり、それによって人は自己利益的行動ではなく、集合体の利益のために行動することができて、人々を公共の利益のために働かせる。一方で、若者の「勝手きままな振る舞い」を制約する。これを「社会規範」と呼ぶ。
すべてのメカニズムは何らかの形態の社会関係資本を促進し、その関係から何らかの利益を得られる限りにおいて関係を維持する。
効果的な規範が依拠している社会関係のひとつが、ネットワークの閉鎖性である。一般的に、効果的な規範が発生する十分条件とは言えないが必要条件と言えるのは、他者に対して外的な効果を課すような行為である。オープンなネットワークでは、主体が相互に連結していないため他者の目を気にする必要はないが、クローズなネットワークでは、主体が相互に連結されているため、他者の目を気にする必要が発生する。
親子関係においても、子供Bとその親のA、子供Cとその親のDがいた場合、AとDが相互につながっていた方が、子供に対して効果的な教育が可能である。
具体的な事例として、高校1年生の中途退学に、社会関係資本の閉鎖性がどのように影響するかについて検証し、ネットワーク閉鎖性の効用に証明している。

研究の方法論

研究の方法論:
「地域情報化プロジェクトにおける協働メカニズムの探究」より抜粋・引用

牧兼充
2008年2月4日

1. 仮説検証型と仮説構築型
研究には、仮説検証型、仮説構築型がある。仮説検証型の研究は、提示した仮説が正しいかどうかを検証することを主たる目的としている(Saunders et al, 2000)。一般的には、今までの理論研究から演繹的に仮説を導き、測定可能な操作仮説を構築して検証を行う。この場合、質的調査が実施されることが多い。一方新しい分野の研究、現状の理論ではうまく実態を説明できない場合には、仮説構築型の研究がおこなわれる。フィールドのデータから仮説を導出するので、帰納的な方法とされ、因果関係、メカニズムの理解、その理論家が目標とされる。


2. 質的調査と量的調査
研究には、質的調査と量的調査がある。それぞれの特徴を以下に示す。
比較のポイント
質的調査法
量的調査法
研究の視点
質 (特性、本質)
量 (どのくらいの量か数か)
哲学的ルーツ
現象学、シンボリック相互作用論、フィールドワーク、エスのグラフィック、至言主義的
実証主義、論理的経験主義、実験主義的、経験主義的、統計的
調査の目標
理解、記述、発見、意味付け、仮説構築
予測、統制、記述、確証、仮説検証
デザインの特性
柔軟的、発展的、創出的
事前に決定された、構造化された
サンプル
小集団、ノンランダム、目的的、理論的
大集団、ランダム、代表的
データ収集
調査の主たる道具としての調査者、インタビュー、観察、分権
無機的な道具(尺度、テスト、サーベイ、質問紙、コンピュータなど)
分析のモード
帰納的(調査者による)
演繹的(統計的手法による)
調査結果
理解的、全体論的、拡張的、厚い記述
正確、数字を用いる
Merriam, Sharan B. (1998) Qualitative Research and Case Study Applications in Education, San Francisco: Jossey-Bass (成島美弥、堀薫夫、久保真人訳『質的調査法入門―教育における調査法とケース・スタディ』 ミネルヴァ書房、2004)のp12の表1-1「質的調査法と量的調査法の特徴」を一部修正。


3. 科学的研究方法
今田(2000)は、以下の3つの方法を総動員して研究に取り組むことが理想と述べている。

(1) 数理演繹法: 普遍的に成り立つ理論法則によって現実を認識
(2) 統計帰納法: 実験や大量のデータから一般化された経験法則によって現実を捉える
(3) 意味解釈法: 個別で1回限りの事象から物事の本質を解明する


4. 研究のサイクル
質的・量的調査に関わらず、操作化可能な仮説を構築し、観察・測定し、目的に合致した方法で検証し、理論を構築していく研究サイクルの確立が重要。

[理論] -> 概念化-> [研究可能な理論的仮説]->操作化->[検証・反証可能な命題]->観察・測定->[記述・関係発見][構造導出・因果関係推定・検証][実験・シミュレーション]->検証(推定)->[データ分析の結果]->解釈->[分析結果の意味付け]->理論構築->[理論]

藤本隆宏、新宅純二郎、粕谷誠、高橋伸夫、阿部誠(2005) 『リサーチマインド経営学研究法』 有斐閣、p.10の図1-3の「研究のサイクル」


5. 総合政策学的アプローチ
総合政策学とは、(1)問題発見・解決指向型の研究、(2)従来の学問領域にとらわれない研究、(3)メディアないし情報通信技術の革新とその影響を強く意識した研究、(4)結論において何らかの政策的ないし戦略的含意(policy implication)を含む研究である(岡部、2003)。


6. 設計科学
吉田(1999)は、従来までの理論を中心とした科学はあるものの探究であり、それを「認識科学」(epistemological science、または、cognizing science)と呼び、21世紀に取り組むべき新しい学問は(あるものの探究?)であり、それを「設計科学」(designing science)と称し、21世紀には、これらを車の両輪とする新しい学術の体系を構築しなければならないと論じている。設計科学とは、「現象の創出や改善を目的とする理論的・経験的な知識活動」(吉田、2003,p.91)であり、医学や工学、農学などのいわゆる実学を科学として認識し、それに人文・社会科学などにも拡張すべきと吉田は主張している。


[論点]
ž 「設計科学」は、どのような研究の方法論をとるのか。
ž 「設計科学」の博士論文は、どのような章立てになるのだろうか。
ž 「設計科学」の研究の評価はどのように行えば良いのか。

飯盛義徳、「地域情報化プロジェクトにおける協働メカニズムの探究」、慶應義塾大学大学院経営管理研究科博士論文

飯盛義徳、「地域情報化プロジェクトにおける協働メカニズムの探究」、
慶應義塾大学大学院経営管理研究科博士論文
サマリー


この研究は、地域情報化プロジェクトを対象とし、地域における様々な人々の協働のメカニズムを探究する仮説構築型の事例研究である。研究では、事例から帰納的に仮説を提示するだけではなく、理論研究をもとに事例を分析する際の視点となる仮説を導出し、事例分析を経て、さらに仮説を構築するアプローチをとっている。この研究では、地域情報化の中でも、人材育成に特化し、5年以上継続しているプロジェクトである、佐賀県のNPO法人鳳雛塾と、富山県の富山インターネット市民塾を分析対象としている。
第1章では、研究に至った問題意識や背景、リサーチクエスチョンを整理している。第2章では、研究方法とアプローチを述べている。第3章では、鳳雛塾、市民塾の活動内容、運営組織、成果などの事例を紹介している。第4章では、理論研究を行っている。第5章では、理論研究から求められる、地域情報化プロジェクトに関する仮説を導出している。第6章では、導出された仮説に対して、鳳雛塾、市民塾、それぞれの活用の参与観察及び半構造化インタビュー等を行った結果をまとめている。第7章では、分析をまとめ、仮説を再度構築している。
この研究は、学際領域に位置づけられており、先行研究としても多数のフィールドを調査している。「情報社会、地域情報化に関する研究」としては、情報文明論、プラットフォーム論をまとめている。「ネットワークに関する研究」としては、ネットワーク組織論、情報技術の特殊性、ネットワークの構造、産業集積論、場の概念についてまとめている。「協調行動に関する研究」としては、取引コストの削減、資源依存のパースペクティブ、資源動員論、信頼、ソーシャルキャピタル、社会的交換理論等についてまとめている。
以上の先行研究の調査の結果、以下の仮説を導出している。
仮説1: 新しい事業が次々に生まれ、継続的な活動を行っている地域情報化プロジェクトにおいては、強い紐帯、弱い紐帯が共存した構造になっている。
仮説1-1: プロジェクト運営の意思決定は、強い紐帯で結ばれたメンバー間でのフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションによって行われる。
仮説1-2: 新しい事業のきっかけとなる情報は、弱い紐帯で結ばれたメンバーからもたらされる。
仮説2: 地域情報化プロジェクトにおける協働を実現するためには、事業推進に対するメンバー間の共通目的が必要である。
仮説3: 地域情報化プロジェクトにおける協働を実現するためには、メンバーの役割形成が必要である。
この仮説を検証するために、参与観察及び半構造化インタビューを行った。鳳雛塾、市民塾共に、ほぼ毎日連絡を取り合うメンバー(コアメンバー)とそうでないメンバーに区分けされる。それぞれのコミュニケーション頻度とコミュニケーション手段を分析した結果、プロジェクト運営の意思決定は、強い紐帯で結ばれたメンバー間でのフェイス・トゥ・フェイスによるコミュニケーションにより行われ、新しい事業の立ち上げについては、弱い紐帯のメンバーによる情報提供により行われることが明らかとなった。以上の分析により、仮説1-1、1-2については支持された。
鳳雛塾、市民塾の参加メンバーへのインタビュー調査を行った結果、必ずしもすべてのメンバーが共通の目的を持っているわけではなく、それぞれの興味に応じて、活動を行っていることが明らかとなった。従って、仮説2は棄却された。社会的活動においては、一般的に、メンバー間の共通目的が必要であると信じられていたが、必ずしもそうではないことが明らかになった。
鳳雛塾、市民塾にはそれぞれコアメンバーが存在し、一般メンバーはコアメンバーに新しい事業を提案し、コアメンバーからリーダーに任命されて活動を開始する、というプロセスがあることが割った。従って、仮説3は支持され、また具体的なそのメンバーの構造として、コア、サポーター、一般の3段階に分けられることが明らかとなった。

【コメント】
地域情報化におけるプロジェクトをプラットフォーム論、ネットワーク論の観点から分析しているこの研究は、私自身の博士論文と極めて構成が似ており、大きく参考になった。この論文を参考にしながら、先行研究の整理、目次案の作成、仮説の構築、分析手法の検討を進めていきたいと考えている。

【論点】
ž
  • 定性データで本当に仮説を証明できているのか。
  • 本当に定量的研究ができなかったのか。
  • 本当に仮説を構築できたのか。
  • この研究の成果をどのように評価するか。構成概念妥当性、内的妥当性、外的妥当性、信頼性について。

2008年4月12日土曜日

結局環境整備が大変

  • 実家での研究環境の整備
  • ネットワーク分析用リストの作成

2008年4月11日金曜日

データをとるために

  • 「企業者ネットワーキングの世界」のレビュー作成
  • ネットワーク分析用の調査票の作成
  • 樺澤さん・宮地さんとの勉強会

2008年4月10日木曜日

一歩一歩

  • 実家の荷物整理
  • 博士論文へ向けた参考文献リストの作成

2008年4月9日水曜日

引っ越しはやっぱり時間かかる。。。

  • 励ます会にご参加いただいた皆様のリストのupdate
  • 自宅の引っ越し

2008年4月8日火曜日

なかなかすすまない

自宅の引っ越しに追われて、なかなか研究が進みません。。。。

本日やったこと
  • 投稿論文のモデルとなりそうな論文のサーベイ
  • 「励ます会」の出席者リスト完成
  • SNS関連の共同研究のプロポーザルを読む

2008年4月7日月曜日

着実に一歩一歩

今日やったこと

  • 励ます会のネットワーク分析のためのリスト作成
  • 熊坂先生と、「大学メンター調査」の分析の相談
  • 「大学メンター調査」ひたすら、統計解析
  • 同窓会関連文献のサーベイ
  • ネットワーク分析の手法のサーベイ

2008年4月6日日曜日

留学関連の準備

やっぱり、博士取得を1年で目指しつつ、2009年9月からは留学したいと思い始めています。奨学金のご相談を茂男さんにしています。奨学金の候補としては以下がありそうとのこと。
  • 吉田育英会
  • 伊藤国際
  • 中島記念
  • 本庄国際
  • 村田国際
これからがんばってみようと思います。

2008年4月5日土曜日

同窓会関連の先行研究のサーベイ

本日は、同窓会関連の先行研究のサーベイを続けました。

2008年4月4日金曜日

21cクラブ関連

本日やったこと
  • 東京21cクラブのネットワーク分析の提案
  • 東京21cクラブのネットワーク分析のプロポーザル作成
  • ネットワーク分析のツールのインストール
    • http://www.analytictech.com/downloaduc6.htm
    • http://briefcase.yahoo.co.jp/bc/sna2tool/lst?&.dir=/51f3&.src=bc&.view=l
  • 同窓会関連の先行研究のサーベイ

2008年4月3日木曜日

引っ越し

今日の記録
  • 実家に荷物が届く
  • 研究用のデスクトップのみ開封してセットアップ
  • 東京21cクラブにで作業
  • 東京21cクラブのネットワーク分析のプロポーザルをまとめる
  • ネットワーク分析の方法論を学ぶ

2008年4月2日水曜日

応援団たくさんと引越し

今日の記録
  • 研究関連の備品を実家へ搬送。
  • 國領先生と博士研究のための研究費相談。激励メッセージをいただく。
  • 熊坂先生と偶然お会いして、プレッシャーをかけられる。「データ分析だったらいつでも相談に乗るよ」と激励メッセージをいただく。
  • 夕方熊坂先生の研究室に伺い、過去の調査のデータ分析の方法について相談にのっていただく。

2008年4月1日火曜日

「博士への長い道のり」始動

本日から博士取得を目指して研究に専念します。1年間の集中期間ということで、がんばろうと思います。自分にプレッシャーをかけるためにも、毎日博士取得のためにやったことをブログにまとめておくことにします。

という訳で初日の行動は以下の通り。
  • 國領先生への博士相談のアポイント取り
  • 飯盛先生への博士相談のアポイント取り
  • 実家での研究環境作りのための引越し準備
  • 研究の参考文献の本をまとめる
  • 國領先生への博士課程の研究費相談
という訳でこれからがんばっていきます。

今日は飲みませんでした。